変形性膝関節症

変形性膝関節症の方は、推定2,400万人というデータが出ています。

階段の昇降で膝が痛くなる
動き出しの一歩目に膝にズキッと痛みが走る
膝の内側が腫れてきて痛む
病院のレントゲン検査で軟骨が減ってると言われた
膝が伸び切らなくなってきた
歩いていて左右への動揺が昔より大きい気がする
このようなお悩みに当院はお役に立てます!

軟骨はすり減らない!

膝が痛くなり病院やクリニックなどの医療機関で「軟骨がすり減っています」とか「骨が少し変形しています」とかいわれたことはありませんか。
変形性膝関節症で膝が痛いという方のほとんどは軟骨がすり減ったから痛い、と説明を受けるので、軟骨がすり減って痛いと思っています。
間違いです。
軟骨はすり減っているわけではなく、代謝異常が起きている。
代謝異常?
骨は「リモデリング」といって、古いものを壊して、新しいものを作るという機能を備えています。この壊すと作るのバランスが代謝です。この代謝バランスが崩れてしまった軟骨はすり減るのではなく、減少しているのです!
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は有名ですよね?
まさにこれが代謝障害です!
骨を壊す破骨細胞(はこつさいぼう)と骨を作る骨芽細胞(こつがさいぼう)が常に破壊と新生を繰り返しています。軟骨細胞を50個壊して、30個しか作らなかったら、20個細胞が減ってしまいますよね。
これがいわゆる「軟骨のすり減り」の正体です。

変形性性膝関節症の
痛みの原因は軟骨じゃない。

軟骨細胞にはそもそも神経が通っていません。さらに言えば、血管もリンパも通っていません。だから、軟骨は痛みを感じない組織なのです!
それでも痛みが出ているのは、その削れたカスが膝関節の関節包(滑膜)や靱帯を刺激して起こっている。もっと正確に言えば、滑膜を刺激されることで、炎症性サイトカイン(痛みを感じる物質)が分泌され、痛みが出ているという流れです。または周囲の筋肉が痛い場合や腱付着部で骨膜痛のような場合もあります。
つまり、「変形≠痛み」ということです。

より専門的になってしまうのですが、、軟骨は4層構造で表層、中間層、深層、石灰化軟骨層からなり、さらにその奥に軟骨下骨(なんこつかこつ)があります。変形によってこの軟骨下骨まで露出してしまっている場合には軟骨の減少で痛いという説明が成り立ちます。
関節部分の骨の表面は関節軟骨に覆われています。その軟骨の代謝も年齢と共に徐々に落ちていき、弱くなってきます。その時に軟骨の下にある骨、そのままなのですが軟骨下骨(なんこつかこつ)まで達してしまうと痛みが出ます。
変形性膝関節症とは、膝の関節部分で軟骨の代謝障害が生じて、少しずつ薄く減っていくことで徐々に膝の変形が進行し、周囲の組織が刺激されることで、日常生活でも痛みが出てくる状態です。
初めからO脚のような骨の変形がある訳ではなく、何年もかけて徐々に変形して行った結果です。初期は膝が少し曲げにくかったり、階段の下りで痛みがあったりなどの症状になります。
では、どうして膝関節が変形してしまうのか?
次は変形の原因について解説していきたいと思います。

変形の原因は
メカニカルストレスです。

病院を受診して、変形性膝関節症に対して「原因は加齢です。」と言われて、湿布と痛み止め、関節へのヒアルロン酸注射の処置で終わってしまうことがあります。
もちろん、変形性膝関節症に対して最新のMRI技術や血液検査・尿検査まで実施して徹底した原因究明を行なっている病院もあります。
一般的に言われている変形の原因として、
加齢、筋力
肥満、メタボリックシンドローム
遺伝
骨密度
ホルモン、性別
などがありますね。どれも正しいと思います!
加齢によって、骨・軟骨の代謝異常が生じて、骨密度も低下し、筋力も落ちてきて、支える力がなくなり、活動性が落ちて太ってきたことで、さらに関節に負担がかかって、やはり性別やホルモンの影響で筋力がつきにくい女性の方が多くて、最近は変形しやすい人に共通してみられる遺伝子があるという研究もすすめられていて…。
それで?
それはわかったけど…。
となってしまいますよね?
大丈夫です!
それがメカニカルストレスです!
変形を進行させる原因は分かっていて、これが根本アプローチになります。もちろん、ここで変形を治せるわけではありません。変形が進行して変形のgrade4とかになるとやはり専門のドクターと相談して、人工関節置換術が必要な場合もあります。そこまで進行する前に、いかにメカニカルストレスを変えていけるかが重要になります。
ここで言うメカニカルストレスとは、「関節に加わる力」のことです。これは直立二足歩行の人にとって、床からの受ける力(床反力)が最も大きな力になります。
この力のかかる向きを変えるだけで痛みが軽減することも少なくありません。床反力を変えることでO脚になろうとする力(KAM:knee abduction moment、膝外反モーメント)を抑えることにつながります。
結果として、これが変形の進行を抑制し、痛みの軽減までできる当院のアプローチの根底になります。

当院では解剖学、運動学、
バイオメカニクスの視点から
メカニカルストレスを減らします。

膝関節のストレスを軽減し痛みをなくす方法は、「膝にかかる力を変えること」と「筋力強化」です。
おそらく多くの方は「膝が痛いからきっと軟骨すり減ってるのよね、痛み止めと湿布を病院でもらってこようかしら?」となります。社会通念的に【中高年膝痛→軟骨減った→変形性膝関節症】という思考の方程式が完成してしまっています。
そして、その対応は【レントゲン検査→やっぱり軟骨→湿布・痛み止め、場合によってはヒアルロン酸注射】という流れでしょうか。消炎鎮痛剤は初期の変形性膝関節症に炎症を抑える効果を発揮することも多いですが、進行していく中であまり効かなくなることがあります。また、炎症を沈め、痛みがない間にも変形は進んでいきます。
否定しているわけではありません。ただ、もっと有効な方法が変形性膝関節症にはあるということです。
運動療法は消炎鎮痛剤よりも痛みを軽減する効果があるとすでに日本整形外科学会などでも実証されています。また、海外の変形性膝関節症のガイドラインでも「運動療法を強く推奨する」という強いエビデンスが示されています。
国際関節症学会(OARSI)では、変形性膝関節症に対する治療として、「薬を用いない治療を中心にして、薬の治療は補助的に用いる」ことを推奨しています。OARSIのガイドラインでは筋力強化、可動域拡大、有酸素運動を推奨しています。
変形性膝関節症の治療において、世界のスタンダードは「運動療法」です。90%以上は手術不要であり、鎮痛効果は薬よりも運動の方が有効というのが世界の常識です。

このように変形性膝関節症に
アプローチしていきます!
①床から受ける力を変えるために
足元を確認していきます。
足のサイズが合っていない靴を履かれていると、膝の変形を進行させるリスクがあります。サイズを適切なものにして、機能性の高い靴に変えていただくだけで痛みが大幅に減る方も少なくありません。床からの力を変えるために、海外の足病医(足専門のドクター)が扱うものと同じ医療用矯正インソールを使っていくこともあります。足の専門的な評価や歩行分析の中であなたに必要なものをお伝えします。
カラダを変えるのは、時間がかかります。靴やオーソティクス(医療用矯正インソール)を変えるのは簡単です。その場から歩行や痛みに変化がみられることも多いので、まずはここからみていきます。
②カラダの動きを評価し、
運動療法と手技療法で
膝関節のストレスを減らします。
カラダの動き、筋力の変化を通して膝関節に加わる「力を変えて」いきます。膝関節に出ている症状のほとんどは、股関節や足関節、腹部などが大きく影響しています。前後左右に荷重を均等にかけられる状態にしておくことが、第一歩です。バランス能力を検査し、膝関節にかかるストレスを軽減していきます。
当院では、お一人おひとりの膝関節を検査・評価して、一人ひとりにあわせた的確なトレーニングをお伝えしていきます。
当院にはトレーニングエリアを設けており、そこで筋バランスや神経系、可動域へのアプローチが可能です!また、セルフケアもお伝えして、ご自宅でも実施できるようにします。当院のトレーニングエリアは月額制で通い放題のプランもあります。ここで週2〜3回の定期的なトレーニングをお勧めしています。まずは現状を知ることが大切ですね。

変形性膝関節症は早めのケアが重要です。

運動したいけど、何をすればいいかわからない。
テレビでやってた膝体操したら、痛みが増してしまった。
正座が出来なくなってしまった。
膝が痛くて、外出が嫌になってきた。
などは実際の患者様が来院時に言われる声です。
これを一人ひとりの膝の状態と向き合い、その機能を最大限に発揮するためのお手伝いをさせていただきます。
痛みとは、生活習慣や仕事における繰り返しの身体への負担に対してのシグナルです。そのシグナルを真摯に受け止め、根本原因の究明とそれに対する明確なアプローチが、あなたの身体の訴えを受け止めることための唯一の方法であると考えております。
膝の痛みを我慢して放置しておくと、症状の悪化だけではなく、バランスの崩れを大きくし、他の部位に悪影響が波及してしまいます。その負の連鎖をここで終わらせたい、なんとかしたい、という方に全力でお手伝いいたします。
我慢していても良くなることはまずありません。
足腰の専門家にお気軽に当院にご相談ください。