膝の痛み・膝が痛い
例えば、こんな症状がみられることがあります。
階段の特に下りで膝が痛くなる
動き出しの一歩目に膝にズキッと痛みが走る
膝頭を床に付くと痛い
バスケットボール中に膝を捻った
突然、膝の内側が腫れてきて歩くのもつらい
膝の裏側が腫れている感じでたくさん歩くと痛くなる
整形外科でオスグッドと言われた
バレーボールをしていて恐らくジャンパー膝だと思う
膝が痛くて伸びきらない
ある姿勢で膝関節がパキッという音がする
膝の痛みを出す疾患
痛みの部位、受傷原因の有無、患部の状態、理学検査などをみていく。
大腿四頭筋腱炎
タナ障害
腸脛靭帯炎/ランナー膝(ちょうけいじんたいえん)
膝蓋前滑液包炎(しつがいぜんかつえきほうえん)
膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)
膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)
内側/外側半月板損傷(ないそく/がいそくはんげつばんそんしょう)
オスグッド・シュラッター病
内側側副靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)
外側側副靭帯損傷(がいそくそくふくじんたいそんしょう)
前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)
後十字靭帯損傷(こうじゅうじじんたいそんしょう)
鵞足炎(がそくえん)
ベーカー嚢胞
離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)
上の図で示したものといくつか部位を示していないものもあります。まだありますが、主なものを列挙しています。少し部位が違うと全く違う疾患になります。
膝関節はもともとの動きは屈曲(まげること)と伸展(のばすこと)しかしません。
※細かく言えば、伸ばした時の最後にほんの少し外旋(外にねじれる)動作があるのですが、今回は掘り下げません。
膝の痛みを考えるときに、膝関節は股関節と足関節をつなぐ中継点であると考えていただけるわかりやすいかもしれません。つまり、膝の痛みはその中継点で起こっていることで、上下の関節の影響を受けることが多いということです。足首の動きが悪くても膝の動きは悪くなりますし、股関節の動きが悪くても膝の動きに影響が出ます。悪くなると言っても、基本的には曲げ伸ばししか出来ないわけですから、横に曲がるようなストレスが加わるとケガしそうですね。
そうなんです。ケガするんです!図の側副靭帯という部分が横にブレないように押さえてくれる働きをしますが、そこがケガしやすくなります。また、関節の間にある半月板という部分もどちらかがつぶされてしまうのでケガしやすいですね。捻れたらどうでしょうか。これも曲げ伸ばしではないのでケガするんです。多いのは前十字靭帯という靭帯の損傷が多いですね。つまり、膝をケガで痛めてしまうときは、膝が本来の動きから逸脱した動きをした時ということがわかっていただけたと思います。
けど、他にもたくさんありますね。例えば、膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)や腸脛靭帯炎(ランナー膝)などは何となく使いすぎ(オーバーユース)が引き金になりそうな感じしませんか。そうなんです!このあたりは一般的にオーバーユースが原因と言われている疾患ですね。
膝の痛みは多くがケガか使いすぎが引き金となって出ているのです。
では、各疾患ごとの原因を次で考えていきます。
膝の痛みの原因は?
まずスポーツという切り口から原因を考えてみます。
スポーツ障害として多く見られるものには、大腿四頭筋腱炎・膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)、腸脛靭帯炎(ランナー膝)、鵞足炎、オスグッド・シュラッター病、膝蓋骨離断性骨軟骨炎などがあげられます。原因には筋力不足や筋力のインバランス、成長期の問題、足部の問題、柔軟性、姿勢バランス(アライメント不良)などが考えられます。そこにオーバーユースや疲労の蓄積などが引き金となって起こります。
スポーツ外傷としては、前十字/後十字靭帯損傷、内側/外側半月板損傷、内側/外側側副靭帯損傷はその典型で、競技の接触で起こるものもあれば、非接触の状態で起こるものもあります。ここで注意しておきたいことが接触というのはぶつかったりとかしたものですが、非接触というと誰にもぶつかっていないのにケガをしてしまうということです。前十字靭帯損傷や外側半月板単独損傷などは特に多いのですが、これの原因は先ほどスポーツ障害で説明した筋力のインバランスや姿勢バランス(アライメント不良)が影響していることが報告されています。
競技スポーツ選手はこれらのケガや障害で、長期にわたり第一線を退くことを余儀なくされます。近年では「いかにこれらを予防するか」という議論が注目されており、各方面でトレーニングプログラムの検討などが行われています。
※「スポーツ障害」とは、軽微な外力が少しずつ加わり、ある時に症状として発症したものを言います。「スポーツ外傷」といって、一回の外力によって起こる、いわゆるケガと対峙して使われます。
次は中年から高齢者の方の説明していきます。
膝が痛くなり病院でなどの医療機関で「軟骨がすり減っています」とか「骨が変形しています」とかいわれたことはありませんか。ちなみに膝の軟骨というのは先ほどから繰り返し出てきている半月板とよばれるものと膝関節表面を覆う関節軟骨というものがあります。常に体重を受け続ける膝関節を何十年も使っているわけですから多少削れてきたり、軟骨が少し欠けたりということは当然起こってきます。ただ、ものすごく変形しているのに痛みのない方もたくさんいらっしゃいます。つまり、「変形≠痛み」ということです。変形していても痛みがでないのは、いくつか理由が考えられます。
軟骨は割れてもそれ自体は痛みを感じないから
軟骨には痛みを感じる受容器(じゅようき)と呼ばれる部分そもそもありません。だから、われても痛くないはず?なのですが、その破片が側副靭帯などの靭帯に刺さったりすると痛くなります。また、滑液包(かつえきほう)という関節を保護するような袋に刺激しても痛くなります。
関節軟骨が残っているから
変形は誰でも起こりますが、今度はその程度の問題ですね。関節部分の骨の表面は関節軟骨という軟骨に覆われています。その軟骨部分の代謝も年齢と共に徐々に落ちていきます。その時に軟骨の下にある骨、そのままなのですが軟骨下骨(なんこつかこつ)まで達してしまうと痛みが出ます。
筋力があるから
脚の筋力と痛みには負の相関が見られることが多いです。やはり、筋力があるとそれだけ関節部分にかかる負担を筋肉が助けてくれるので安定性も増し、症状は出にくいです。だから、一生懸命運動されている方もたくさんいます。素晴らしいことですね。ただ、運動していて筋力もあるのに膝を痛めてしまう人もいます。こうなるとよくわからない???となってしまう方もいっらっしゃるかもしれませんが、これは簡単です。バランスが悪いだけです。体重50キロの方が右に30キロ、左に20キロという感じで偏った歩き方をしてたらどちらの膝が辛そうですか?「右?」はい、正解です!
「変形≠痛み」の理由は何となくわかりましたでしょうか。だから、出来る限り膝の軟骨にストレスが入らないようにすれば長持ちする気がしませんか?それしかありません。
当院の施術では
このように改善していきます!
膝関節のストレスを軽減し痛みをなくす方法は、バランス調整と筋力強化です。
これにはたくさん報告があり、バランス調整のために靴の中にインソールを入れてバランス能力をあげ、膝周りの筋力、特に太ももの筋力強化は膝の変形の進行によって痛みを出してしまうようなストレスを軽減してくれることはわかっています。特に大腿四頭筋(だいたいしとういん)という筋肉が重要で、この筋肉は大腿直筋(だいたいちょっきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、外側広筋(がいそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)からなりますが、多くの人は内側広筋の萎縮が著明なことが圧倒的です。
- 全身のバランス調整を施術で行っていきます。膝関節に出ている症状のほとんどは股関節や足関節、腹部などが大きく影響しています。その原因を見つけて膝関節にかかるストレスを軽減していきます。
- 筋力的な左右差が見られる場合には、筋力トレーニングの方法をお伝えしていきます。ご自宅ではうまくできない、まずフォームをしっかり知りたいという方や筋力低下が多く影響している場合には、当院のコンディショニングエリアで定期的なトレーニングをお勧めしています。
- 靴の問題も見ていくことができます。当院の院長である羽田は施術家であり、運動の専門家であり、スポーツシューフィッター(靴の専門家)です。海外の足病医から直接指導も受けており、足後進国の日本に足の知識を広めていければと思っています。シューフィッターとは、靴が足にあっているかを評価したり、インソールを採型したり、調整することを生業とするものです。膝が悪い方は靴が合っていないことによってその症状を足の方から悪くしてしまっている方もいらっしゃいます。心配などがあればお気軽にご相談ください。
膝の痛みはほっておいても改善されません。
私自身の施術はご自身のお身体のバランスを調整して、その機能を最大限に発揮するためのお手伝いをさせていただくものです。生活習慣や仕事における繰り返しの身体への負担に対して身体は「痛み」や「しびれ」、「だるさ」など色々な形でそれを示してきます。
そのシグナルを真摯に受け止め、根本原因の究明とそれに対する明確なアプローチが、あなたの身体の訴えを受け止めることための唯一の方法であると考えております。膝の痛みを我慢して放置しておいては悪化していくだけになってしまうばかりでなく、バランスの崩れを大きくし、他の部位にその悪影響が波及してしまいます。その負の連鎖をここで終わらせましょう。
お気軽にご相談ください、あなたの痛みに対して真摯に向き合います。