足底筋膜炎・足底腱膜症
朝起きた時の1歩目で足の裏が痛い
歩き始めはかかとの方が痛いが、だんだんと痛みがなくなる
最近は体重がかかるたびに踵の痛みが出てくる
病院で足底筋膜炎と言われた
インソールを使っているが、痛みが軽快しない
「足底筋膜炎」とは?
歩き始めの特に1歩目の痛みが出たら疑ってください!
足底の痛みを伴うものの代表的な疾患が足底筋膜炎(そくていきんまくえん)です。足底筋膜炎は足底筋膜という踵(かかと)の骨からゆびに向かう筋膜(腱膜)がその付け根部分である踵に障害を起こす疾患で、中高年者に多いとされていますが、最近は若い方でも良くお見受けします。
特徴的な症状はstarting pain(スターティングペイン)と呼ばれる1歩目の強い痛みです。
朝起きた時の一歩目が特に痛い、歩き始めは痛いけど、だんだん慣れて痛みがなくなるなどは典型的な症状として見られ、足底筋膜炎の可能性が高いと言えます。
よく病院でのレントゲン検査でかかとにトゲがあって、それが原因という説明を受ける方がいるようです。ドクターもその方がわかりやすいからあえてそういったせつめいをされているのだと思います。しかし、実際にはトゲがあっても痛くない方も臨床の現場ではたくさんみてきました。トゲとは正式には踵骨棘(しょうこつきょく)と言って、トゲがある状態を指します。このトゲは踵に強い衝撃が繰り返し加わっている場合に、骨が少しでも衝撃を軽減するために支持基底面(体重や衝撃を支える面積)を広げるための反応と加齢による変形性のものであると私は認識しています。
他にも足底の痛みを伴うものはあり、踵部脂肪体炎(しょうぶしぼうたいえん)といい、踵部分の脂肪体という衝撃吸収構造に炎症が起こってしまうものもあります。ここは血管や神経が豊富に存在する部位なので、痛みが強くなる傾向があります。足底筋膜炎との大きな違いは、脂肪体炎は歩いているとずっと痛いという方が多いという点です。ただし、気を付けるべきは足底筋膜炎でも症状が進行してきた場合には歩行時の痛みが常に伴うようになるということです。見分けがつかないじゃないか?と思われるかもしれませんが、専門家が見れば分かりますので大丈夫です。似たような病態に踵部脂肪褥(しょうぶしぼうじょく)という疾患もあり、これは先ほどの脂肪体が萎縮して衝撃吸収の機能を発揮していない時に起こる踵の痛みです。これは中高年の方に多く見られます。
また、これらを併発しているような症状を呈する方もいます。踵の部分には炎症も見られ、さらに足底筋膜にも刺激を入れると痛みがあるという状態です。つまり、正確には別の病態ではあるのですが、両者は同じ原因で起こることもあるということです。
足底筋膜炎の一般的な施術方法として、病院では消炎鎮痛剤や局所へのステロイド注射、テーピングや足底板といった方法が用いられることが多いです。また、最近では体外衝撃波というもともと結石の使われていた方法で、体表から結石を砕くというものを踵に利用することもあります。この装置はまだ整形外科で設置しているところが少ないため、広くは浸透していませんが、痛みの軽快に効果があるという報告がされています。
なぜ足底が痛くなるの?原因は?
足には上半身からの重さを全て支えるという重要な働きがあります。直立二足歩行の人の足には四足歩行の動物よりもより大きな圧がかかることはイメージしやすいと思います。そして、出来る限りその大きな負荷を分散して行く必要があるので、土踏まずという構造が存在しているわけです。土踏まずは「足底のアーチ構造」ということです。よく橋などで見かけるアーチ構造は力を分散させるのに良い構造ということで、これが足の裏にもあって足を付いている時には常にここが機能して負担をかけないようにしています。
また、足裏の体重を分散する機能として、このアーチ構造に関連するのですが、「トラス構造」というものがあります。よく、大きなタワーや陸橋などでも見かける構造なのですが、簡単にいうと、三角構造です。まだよくわからないですよね?写真は東京タワーの写真です。三角形が連続しているのがわかると思います。これがトラス構造で、この構造は強度を高めるための構造で、実は人の足裏にも機能的なトラス構造があります。そして、これを構成している代表格が「足底筋膜」ということです。
足のゆびを反らしてみてください。その時に足の裏のスジがピンと張りませんか?これが足底筋膜です。そして、反ったことで足の裏のアーチが足底筋膜のテンションによってピンと張り、ここに三角形の機能的なトラス構造が出来るというわけです。全体に見れば、三次元的なアーチ構造ということもできます。
もし、ピンと張らない方や反らしたら踵が痛いという方はすでに足底筋膜炎かその予備軍の可能性がありますね。ピンと張らないという方は、トラス構造が出来ないので、強度的に弱く、衝撃に弱いということです。また、反って痛いという方は、偏平足や甲高といった足の形状的な問題があったり、そもそも足底筋膜が硬いという方です。
この場合にも上手にトラス構造が出来ないので足裏の負担は大きくなっているということが言えます。このように足底の機能が低下している状態では、身体の重さや歩行時の衝撃吸収に作用できなくなってしまうので、結果として痛みに繋がってしまいます。歩行中、足底筋膜は足のゆびを反らした時にピンと張って、糸電話の糸のように力を前方に伝達し、上からの荷重を推進力にするように機能しています。
糸がたるんでいるとどうでしょうか。力が前に伝わらず、結果として、踵に障害を起こすことになります。これが足底筋膜炎や踵部脂肪体炎、踵部脂肪褥といった結果を招いてしまうということが言えます。
この痛み、どうすればいいの?
では「どうすれば痛くならないの?」ということですが、「足底の負担を軽減するようにする!」です。極論歩かなければ痛くはありません(笑)。それくらい分かりますね、失礼しました。負担を軽減する方法は、この部分の機能を上げていくことと直接加わる刺激を減らすようにするということです。
機能を上げるというのは、足底筋膜の柔軟性を向上させたり、ゆびを動かしたりして刺激を入れていくことになります。一方で、直接刺激を減らすには、インソール(中敷き)を変えることや、靴の履き方やその種類を足に合うものにしていくということが非常に有効です!
当院ではこのように改善していきます!
医療用足部矯正インソールで足の機能を上げていきます!
当院では海外で足病医が薬のように処方する矯正インソールの認定院として取り扱っております。矯正インソールは市販のインソールとは違い、一人ひとりの足に合う形にすることで、足のゆびや足関節の機能面の改善が可能です。「カラダを変える」ために「モノを変える」という視点は最短でゴールに近づくためにとても重要です。
負荷の集中を防止するように調整していきます。靴を履いている時間が治療時間となり、足の痛みが軽減してくるということになります。また、シューフィッターの資格も持っているので、同時に靴の選び方、はき方なども合わせてお伝えすることができるので、普段から足に対して負担を軽減できる方法をお伝えすることができます。
立位姿勢や歩行を評価して、重心位置や重心移動を運動療法を中心に調整していきます!
足底筋膜炎をはじめとした踵部の障害では、重心移動が上手くできずに、前方への力の分散が出来ていない場合があります。これを評価してまず動きが出せる状態にしていきます。それによって、踵に残ってしまう負荷を軽減していくということです。重心の後方化(踵重心)や重心移動の遅延によって増加している踵への衝撃を減らしていくということです。
足底筋膜炎は本当にお辛いと思います。
歩くたびに外からのストレスが加わるため、痛みが慢性化しやすく、放置しても放置しても歩く限りストレスがかかるので、なかなか改善しません。また、歩くときに踵側に集中するメカニカルストレスが痛みを起こしているので、痛み止めなどがなかなか効きにくいという点もお辛いことだと思います。
足底筋膜炎は一回の負担で起こったものではなく、繰り返しのストレスが原因になっています。まずは、しっかりした評価でその原因となる因子をひとつずつ確認して減らしていくこと、身体の姿勢バランスを運動療法や手技療法で整えることで踵に入るストレスを減らすことが解決への近道と考えております。当院で取り扱っている足病学先進国のひとつであるニュージーランド製の足部矯正インソールは足底筋膜炎の症状の方にはかなり高い効果を発揮しております。
足底筋膜炎でお困りの方は、足の専門家である当院にお気軽にご相談ください。当院はあなたの痛みに対して真摯に向き合います。